プレス工場の仕事内容は?作業は危険?キツいの?職場環境についても解説!
2023年10月25日更新
金属を様々な形に成形するプレス加工は製造業において安定したニーズのある仕事であり、プレス工場では多くの求人が出ています。今回は、プレス工場での勤務をお考えの方に向け、仕事内容や注意点、必要なスキルのほか、平均的な収入(年収・月収・時給)などについて解説していきます。
プレス工場とは?プレス加工とは?
プレス工場とは、金属のプレス加工を専門におこなう工場のことです。そもそもプレス加工とは、プレス機に製品の原型となる金型を取り付け、金属板に圧力を加える(プレスする)ことで様々な形に成形する作業のことを言います。
プレス加工は、製造業で扱われる大半の製品に必要な工程であり、プレス加工をおこなうプレス作業員は製造業に不可欠な存在です。
プレス工場の仕事内容とは?
プレス工場での仕事は、プレス加工が中心になります。プレス加工は、プレス機に製品の原型となる金型を取り付け、材料に圧力を加え、打ち抜いたり、曲げたり、絞ったりして、金属を様々な形に成形します。基本的には、以下の3つの工程で進められます。
金型に材料をセットする
まず、上下に分かれた金型をプレス機に取り付けます。加工する材料を下型のネストのなかに収まるように入れて試し打ちをおこない、その結果が、作業標準・検査基準に合っているかどうかを測定器などで確認します。
プレス機で材料を加工する
金属板などの材料をプレス機の所定の位置に入れてスイッチを押すと、上型が降りてきて材料が加工されます。自動化された金属プレス設備を用いる場合は、金属板の打抜き、曲げ、絞り加工の工程で制御盤の監視・操作をおこないます。
なお、プレス機はモーターの回転力を利用する「機械式プレス機」と、水圧や油圧を利用する「液圧式プレス機」がありますが、多くのプレス工場では機械式プレス機が使われています。
仕上げ処理をする
最後に、プレスされた材料や部品の表面仕上げをおこないます。研磨を施して表面を仕上げるのが一般的ですが、工場によっては、塗装やメッキ処理を施すこともあります。
なお、厚生労働省の「job tag(職業情報提供サイト 日本版O-NET)」では、金属プレス工の具体的な仕事内容として以下のような作業を挙げています。
- 上下に分かれた金型をプレス機に取り付ける。
- 材料をネストに入れ、プレス加工をするため、プレス機の操作をする。
- 材料の厚み、曲げる寸法、角度によって金型を選定、調節する。
- 自動プレス機に金型を取り付ける。
- 加工する材料を下型のネストのなかに入れ、試し打ちのため、プレス機を操作する。
- プレス加工した品物の検品、仕上げ加工、組立作業をおこなう。
など
※参考:金属プレス工 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト 日本版O-NET)
プレス工場で製造されるもの
プレス工場では、様々な金属製の製品・部品が作られています。代表的なものとしては、自動車のボンネットやドアなどのパーツが挙げられます。自動車のボディは車種によって様々な形状がありますが、金型を使い分けてプレス加工をすることで、あらゆるバリエーションに対応することができます。
その他、業務用の大型機械から冷蔵庫・洗濯機などの家電、小さいものでは腕時計やカメラ、携帯電話などの精密機器の部品、メガネやフォーク、硬貨など身近なものまで、幅広いものがプレス加工によって作られています。
プレス工場での危険性は?注意点について
プレス工場での仕事は、プレス機を用いておこないます。取り扱うプレス機の大きさやタイプは工場によって異なりますが、機械を操作する以上、危険がゼロということはありません。
とはいえ、各プレス工場では、安全囲いや安全装置を設置したり、作業前の点検や定期検査を実施したりするなど、プレス機の安全対策を徹底しています。職場で決められたルールを守っていれば、危険な事故に遭遇するリスクはほとんどないでしょう。
もちろん、プレス工場で働く人は集中力を切らすことなく、常に危険意識を持って作業にあたる必要があります。プレス作業者として心がけたいのは、「かもしれない」意識です。たとえば、「機械を使っていると、巻き込まれるかもしれない」「スイッチが入ったまま作業をしていると、急に機械が動くかもしれない」「高いところに部品が置いてあると、落ちてくるかもしれない」など、常に「かもしれない意識」を持って仕事に取り組むようにしてください。
プレス工場で働くために必要なスキル・資格とは?
プレス工場で働くために、特別なスキルや資格・免許は必要ありません。プレス工場は、年齢や経験にかかわらず、初心者でも働きやすい職場だと言えるでしょう。一方で、プレス作業は関連資格が充実した仕事でもあります。できるだけ好条件のプレス工場で働きたい方や、将来、正社員になるなどキャリアアップ・収入アップを目指したい方は、以下でご紹介する資格取得を目指してみましょう。
プレス機械作業主任者
5台以上のプレス機を扱う工場では、プレス工程の指揮などをおこなうプレス機械作業主任者を置くことが義務付けられています。プレス機械作業主任者になるには、プレス機に関する5年以上の実務経験を経た後、プレス機械作業主任者講習を受講して、合格する必要があります。
金属プレス加工技能士
プレス加工の技術を習得していることを証明できる国家資格として、金属プレス加工技能士があります。金属プレス加工技能士の資格は「特級」「1級」「2級」があり、技術レベルや実務経験に合わせて受験することができます。試験は都道府県職業能力開発協会が実施しており、学科試験、および実技試験に合格する必要があります。
工場板金技能士
工場板金技能士は、手作業や加工機械によって金属板を加工する能力を証明する国家資格です。試験は工法ごとに、「曲げ板金作業」「打出し板金作業」「機械板金作業」「数値制御タレットパンチプレス板金作業」の4区分に分かれており、レベルは「特級」「1級」「2級」「3級」があります。
プレス工場の年収・月収とは?
求人情報専門検索エンジンのIndeed(インディード)によると、日本の「プレス機オペレーター」の平均給与は以下のとおりです。
- 年収:3,694,486円
- 月収:261,576円
- 時給:1,301円
※参考:日本でのプレス機オペレーターの平均給与|求人情報専門検索エンジンindeed(2022年12月14日閲覧)
また、日本の「金属加工」の平均給与は以下のとおりです。
- 年収:3,619,838円
- 月収:256,291円
- 時給:1,271円
※参考:日本での金属加工の平均給与|求人情報専門検索エンジンindeed(2022年12月14日閲覧)
カカクコムが運営する求人に特化した検索エンジン「求人ボックス」によると、「金属加工」の仕事の平均年収は約347万円となっています。また、派遣社員の平均時給は1,233円、アルバイト・パートの平均時給は1,098円となっています。
※参考:金属加工の仕事の平均年収は347万円/平均時給は1,098円!|求人ボックス(2022年11月28日更新)
プレス工場の派遣求人ならジョブ派遣!
プレス工場の派遣求人を探すなら、ぜひ「ジョブ派遣」をご活用ください。ジョブ派遣は、派遣会社(株式会社日輪)が運営している求人サイトで、製造業・派遣社員のお仕事を中心にご紹介しています。独自の研修もご用意していますので、プレス工場が初めての方も安心してご応募ください。応募時から入社後のサポートまで、スピーディ&丁寧な対応をお約束します。
まとめ
日本は世界有数の金型生産国であり、日本のプレス加工技術は世界的にも高く評価されています。プレス加工が未経験の方でも、「ものづくりが好きだ」「世界レベルの技術に触れてみたい」という方は、ぜひプレス工場での仕事にチャレンジしてみましょう。
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- 株式会社日輪コンテンツ編集チーム
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